世界遺産「韮山反射炉」に沸く伊豆長岡温泉の正平荘に行ってきました。
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新幹線三島駅から、伊豆箱根鉄道に乗り換えて20分。伊豆長岡駅からタクシー1メーターで到着です。

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住宅の並びの中に立地します。宅地開発で飲み込まれてしまったのでしょうね、甲府湯村の常磐ホテルのように。

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入ると正面には日本庭園。ほのかに和旅館らしい香のかおりがします。

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はじめに、ロビー横のカウンターでお茶と茶菓子を頂きます。

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雰囲気のいい空間なのですが、宿帳がバインダーに安いボールペン。
スタッフの方の名札も、クリップ型の柔らかいネームホルダー。。。宴会旅館じゃないんだから。

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温泉の入り方の説明書も提供されます。その名も「温泉ビューティー入浴法」。

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庭沿いの廊下を通り、

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階段を上がって、

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本日のお部屋は、「201 耕雲」。
和洋の特別室です。

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和室部分

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ひろびろ空間。テンションが上がります。

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バルコニーもついています。右のものは観月台というべきものでしょうか。

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水回りと、

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アメニティ。

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内風呂。

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扉で隠れていますが、流し台もあります。

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では、浴衣に着替えて、大浴場へ。

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1日目は、不二紅梅の湯。男女入れ替わりのようです。

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タオル・バスタオルも常備。

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懐かしい感じの脱衣所。

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檜の内風呂。アルカリ泉のためか、とっても滑ります。

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露天風呂。住宅街の中なので、ビュー無しです。

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お風呂上りには、「温泉で淹れた冷たい静岡茶」。
アルカリ泉なので、にいいのではと勝手に期待してがぶ飲み。

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お庭を見ながら、夕涼み。
蚊だけが天敵ですが、そこは蚊取り線香が置いてあります。
建物とお庭、夏らしくジーーと蝉の声、そして蚊取り線香。
なんだか田舎の実家に来たような気持ちになります。

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部屋に戻り、館内図を眺めながら。
庭園を中心に、増築を繰り返したことがわかります。

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「真にくつろげる宿」がコンセプトとのこと。
「お部屋への立ち入りは最小限」。だから、お茶もロビー横で出すのですね。
チェックアウトは、12時まで。

次は、夕食。「京風料亭旅館」と名前に冠するのですから、食事への期待値も高いです。
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料亭「閑雲嶺」へ。

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暗めの空間に、客毎に仕切りがされています。ちょっと居酒屋チックですね。
もともと宴会場であったスペースを、部屋出し食から切り替える際に食事処にしたとのこと。
いまでも団体であれば、仕切りを外して宴会場になるそうです。

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呼び出しスイッチ。居酒屋じゃないんだから。

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本日の席はこちら。

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暗い中に、テーブルだけスポットライトが当たっています。
この空間で、食事に集中させるためなのでしょう。演出が考えられています。
ちなみに、BGMはジャズ。

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最初のセット。

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お品書き

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前菜
鰤炙り寿司 紅心大根酢取り 鯛福沙雲丹揚げ 螺貝含め煮
海老黄身酢掛け 明日葉の白和え 子持ち昆布珈琲煮豆松葉刺 ほうづき麩

前菜から期待感が高まります。

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飲み物は、静岡名物の「静岡みかんサイダー」で。甘いです。

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吸物
焼鱧真薯 楓冬瓜 つる菜 梅肉 柚子 蓴菜

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造り
鮪 白身魚 紋甲烏賊 炙り車海老 妻種々

刺身はみずみずしく、鮪はトロトロ。
海老は炙りかつしっぽを外してあり、烏賊も少しあぶられています。
造りであっても、必ずひと手間が入っている、職人技です。

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煮物
金目鯛湯葉巻き煮付け 隠元 牛蒡 針葱 木の芽

こちらも、伊豆に来れば金目の煮付けは定番ですが、湯葉巻きで格が上がっています。

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焼物
鮎塩焼き 蕪あちゃら 丸十レモン煮

やっぱり頭からがぶりと。はらわたは苦いです。

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珍しい形の器です。次は何かな。

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蒸し物
蛤 アボガド トマト茶碗蒸し

茶碗蒸しと食べ進めると、トマトの汁が口の中で広がる、新しい味です。

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中皿
和牛幽庵焼き 林檎ソース トマト ブロッコリー 南京

肉をリンゴの酵素で。さらっと食べられます。

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香の物 京都【大こう】よりお取り寄せ漬物の盛り合わせ
赤出汁 冬瓜 滑子、生麩、辛子
飯    富山県産コシヒカリ 新生姜味噌添え

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水物 季節のデザート
とうもろこしのプリン、スイカのシャーベット、かぼちゃのチーズケーキ

それぞれ目印に、
ポップコーン、スイカ玉、かぼちゃのチップが乗っています。
見た目も、野菜のデザートという点でも面白い逸品です。
デザートが、ありきたりでないものが出ると、うれしいですね。

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食後に紅茶がでました。

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正平荘の夕食は、トラディショナルな和食でありながら、
一品ごとに必ずひと工夫がある、いい夕食でした。

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夜の庭園はライトアップです。
一休みしたのち、おやすみなさい。


翌朝。まずは朝食の前に大浴場へ。

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2日目は男女入れ替わり不二白梅の湯。

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昨日と比べて、一回り小さいです。

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露天風呂は石造り。

朝食は同じ場所です。
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仕切られた席に入ります。

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最初に、小さいグラスに、
りんご、グレープフルーツ、人参の4種のジュース。
おしゃれです。

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朝食は竹かごを中心にした、
トラディショナルな和食です。
デザートが、前夜の期待値からするとさみしいことと、
全体的に、御飯のおともくらいのものが並び、メインが無いような感です。
それでも、おなか一杯に頂きました。

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食後は、「小さな美術館」というラウンジ風の空間でゆっくり。

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各種雑誌も置いてあります。

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コーヒーメーカーがあり、カップ加温機まであるこだわり様でした。

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食後は、再度部屋でゆっくりした後、12時にフロントでチェックアウト。

最後に、旅館マニアとして、館内を見させて頂きました。
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本館の廊下。本当に田舎の実家のような雰囲気です。

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白鵬亭の14ほうおう。一般室。

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新館の特別室とは佇まいが違いますね。
本当に田舎の実家のような雰囲気です。

こちらは新館。 瑞雲。庭園露天風呂付貴賓室。
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広々とした部屋の先に、ガラス張りの露天風呂が。

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丸見えです。
もちろんブラインドはあるとのことです。

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会議室。立派です。重役会議でもできます。

帰り道は、韮山反射炉と三嶋大社を、立ち寄りました。
伊豆長岡駅から、土日限定の無料バスで10分程度。
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韮山反射炉。写真で見えている範囲だけの施設です。
ここが世界遺産になろうとは、だれが予想できていたでしょうか。

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隣の土産店 蔵屋鳴沢もリニューアル。
観光バスとともに、人がいっぱいです。

タクシーで伊豆長岡駅に戻り、伊豆箱根鉄道で三島方面へ。
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昼食は、「うなぎ すみの坊 本町店」で。昔は「本町うなよし」という名前だったと思いますが改名したようです。

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三島名物 うな丼。肝吸い付。

食後は雨の中を歩いて、三嶋大社へ。
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旧官幣大社です。(名門!)

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宝物館。

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三島大社本殿。

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三島大社の通りの前に、
「大社の杜」という小さな商業施設ができていました。

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その中の一つ、PoRmoFujiというアイス屋さんへ。
パルム・MOWで知られる「富士乳業」の直営店なんだそう。

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パルムのトッピング付に、サービスで付いてきたMOW。
雨の中でしたが、冷たくて美味でした。

正平荘
伊豆長岡温泉という住宅街に呑み込まれている立地から、
景色や、街の雰囲気に優位性があるわけではありません。

また、大型旅館でないため、
旅館内にアトラクションを構築することもできません。

であるからこそ、料理を突き詰めて、第一線のものを提供しているのだと思います。
トラディショナルな旅館らしい和食、かつ工夫された料理を食べれる、良い宿です。

また、田舎の実家と書いた建物もそうですが、
サービスからも、家庭的な雰囲気を感じます。
スタッフでお顔を拝見したのは3人だけですが、
12室の小さな宿だからか、目が行き届いて、声をかけられます。
また、曇天に外を散策しようとしたら、念のためと傘を渡してくれます。

是非、その細やかなお気遣いで、細かい備品等にもこだわってもらいたいですね。

懐かしい感じで肩肘張らず、ただゆったりとしたい。
そんな時におすすめの宿です。
なお、宿泊する際は、部屋は「新館」にしましょう。印象がずいぶんちがいます。

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正平荘
正平荘は、2021年に閉館しました。


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