加賀温泉郷の山代温泉 べにや無何有 に行ってきました。
一流の証明であるルレ・エ・シャトーの加盟宿であり、期待大での訪問です。
前日の 庄川温泉風流味道座敷ゆめつづり からの続きです。
高岡駅から、あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道で約40分で金沢駅へ。
金沢駅から特急で25分、加賀温泉駅に到着です。
駅前での出迎えを受けて、送迎に乗り込みます。
田んぼの中を走って10分あまり。
べにや無何有に到着です。
エントランスから、もう超高級感があふれだしています。
玄関を通り、
フロントを抜けて、
ロビーラウンジに案内されます。
窓からは、山庭の緑。
ここで、宿帳の記入と、ウェルカムドリンクが提供されます。
リンゴジュース。
生ジュースらしく、少しドロッとしたリンゴ感たっぷり。
後方のカウンターから、包丁とミキサーの音がしたので、
到着してからの作りたてなのでしょう。
それでは、部屋に案内されます。
廊下を進み、
自動ドアを出て、屋外空間に出ます。
この屋外廊下から入室するのが、
本日の部屋 露天風呂付き和室 木賊TOKUSA。
部屋の名前はすべて色の名前からとっているとのこと。
扉を開けて・・・
はい、もう異空間です。
茶室のような、洗練された空気感。
踏込にすら、花を生けられています。
ふすまを開くと、まだ控えの間。
さらに、もう一つふすまを開くと、
はい、素晴らしい空間。
和室10畳の畳空間だけでなく、
竹敷広縁。籐のイス。
向かう先には、
月見台(テラス)。
目線は、山庭の木々。
ツクツクボーシの声に、カナカナカナというヒグラシ、そして鳥のさえずり。
この空間がすばらしい。
かたわらには蚊取り線香。なつかしさを感じさせます。
和室には、
床の間にも生け花。
ライトアップがされています。
部屋の明かりは旅館としては珍しく、中央に照明が無く、
ホテルのようにライトが配置され、間接照明のようになっています。
テレビも格納で隠されており、
開くとDVDデッキもあります。レンタルDVDあり。
ブルートゥーススピーカーも設置されていました。
このあたりはインバウンド狙いでしょうか。
金庫もあります。
部屋の奥には、
水回り空間。
洗面台に、
お手洗い。
極めて清潔です。
シャワーブースの先には、
露天風呂。
林の緑に包まれています。
水屋には、
緑茶、加賀棒茶、コーヒーにミネラルウォーター。
お茶菓子は、
地元の土産菓子です。
グラスも丁寧に格納されています。
テーブルには、宛名のみ手書きの女将のメッセージカード。
海外のシティホテルのようなサービスです。
浴衣も二枚用意と足袋。
浴衣に着替えて、大浴場に向かいます。
鍵を手に取り、
雪駄を履いて部屋を出ます。
ロビーのフロント横から、下の階へ。
大浴場。
男女入れ替えはありません。
風呂上がり用のアルカリイオン水。
脱衣場。
洗面台。
内風呂に、
洗い場。
サウナもあります。
露天風呂。
大浴場の施設は、宿泊部屋と比べて、昔の旅館のような古さを感じます。
しかし、雪駄用の識別札も、ありもののクリップなどではなく、
部屋の色の木片としてあり、配慮は一流。
外廊下には、古めかしい配電設備がありましたが、
これもうまくすだれで目隠しがされていました。
おそらく、大浴場の場所は、古い建物なのでしょうが、
配慮で目立たないようにしてあります。
風呂上がりは館内散策へ。
ロビー横から進んで、
図書室。
シックな調度品とともに、
多くの書籍が所蔵されています。
山庭に臨みながらの読書も可能。
本当に、ゆっくりと滞在を楽しみたいと思わせる旅館の空間です。
土産ショップは、土産菓子などは少なく、
九谷焼や漆器などの工芸品がおしゃれに並んでいます。
少し外にも散策に出ます。
べにや無何有は、小さな山を上ったところにあり、
道路を歩いて温泉街に行くのは、ぐるっと回って遠いのですが、
専用の近道が用意されています。
洋装の女性スタッフに入口まで案内してもらいます。
階段を下りて、とても古い建屋の空間をすすんでいくと、
これまた古いエレベーターが。
斜行エレベーターを降りて、外に出ると、
もう山代温泉の温泉街です。
温泉街には、九谷焼の窯元などもあり、
中心は、古総湯。共同浴場です。
周囲には、となりに総湯、和菓子屋や土産物屋、
そして高級旅館が軒を連ねている場所でもあります。
温泉寺や、
魯山人寓居跡などもあり、
小さい範囲で散策のできる温泉街になっています。
ふたたび、斜行エレベーターで戻ります。
入口は、べにや無何有宿泊者専用のパスワードが無いと開かない扉になっています。
べにや無何有に戻ってきました。
外観をこうしてみると、右の建物は決して新しくはない様子です。
大浴場はちょうどここにあり。
聞いたところ、以前は旅館の客室があった棟であり、
新しい建物が建ち、今は客室として利用していないとのことです。
部屋に戻り、ふたたび山庭の空間の中でゆっくりと、窓全開で。
この竹敷広縁が、あたかも外と一体となっているように感じて、
蝉の声、鳥の声を耳にしながら、自然のなかに没入。
リラックスした時間を過ごします。
そうしているうちにすっかり夜になったので、
部屋を出て夕食会場に向かいます。
ロビー横のエレベーターから、2階へ。
エレベーターが開くと、眼前に水盤。
洗練された空間です。
ダイニング、懐石方林。
スリッパに履き替えて入ります。
席に案内されます。
まだ料理が出てきていないのに、もう超高級であると感じさせます。
懐石方林は、ソムリエが駐在しており、
空間もすみずみまで洗練されています。
お品書きは和紙への印刷です。
お品書き。
一献 車多酒造
天狗舞 超辛 純米
前肴 加賀・里山里海の幸
隠元・オクラ・茗荷
鮑・岩蛸・白海老
温泉玉子と雲丹・夏鴨
器から何から、すべてレベルが別格です。
オクラ・茗荷は、小ぶりの寿司で、白海老は頭がとってある。
温泉玉子は黄身だけで、雲丹のせ。
飲物は、生ビールから。
飲物のラインナップも、なかなか高級です。
ソムリエが、ちょうどよいものを提案してくれます。
べにや無何有 ドリンクメニュー1/6。
ドリンクメニュー2/6。
ドリンクメニュー3/6。
ドリンクメニュー4/6。
ドリンクメニュー5/6。
ドリンクメニュー6/6。
続いて出てきたのが、これまた創作感のすごい、
椀替り 加賀太胡瓜のスープ
蛤・海老・銀耳
クコの実・蓮根餅
加賀太胡瓜を、器にしています。
海鮮のダシが効いていて旨味が凝縮されています。
続いては、こちら。
向付 加賀橋立漁港より
鱧やきちり・鯵たたき
能登鮪・かんぱち・甘海老
塩ぽん酢・土佐醤油・能登塩
みずみずしくて、とろけるうまさ。
刺身に合わせてお酒は、宗玄 純米吟醸。
ガラスの徳利に1合。
お猪口も薄いガラス造りで、お洒落さが際立ちます。
続いて、籠で出てきたのが、
焼き物 庄川峡 若鮎炭火焼き
たで酢
炭火で焼かれた状態で、席に運ばれてきます。
炭の香りが心地よい。
皿に盛り付けてもらいます。
まるで川で泳いでいるような盛り付け方です。
ソムリエに、焼き鮎に合わせたワインをお願いしたところ出てきたのが、
Mukayu 白SHIRO。
熟成で色がついて、勝沼の白ワインながらこの色です。
煮物 加賀野菜焼きびたし
茄子・蓮根・かぼちゃ・アスパラ・五郎島金時
続いては、鍋が運ばれてきました。
鍋 能登牛と岩水雲の鍋
新玉葱・茗荷・クレソン・すだち
ごはんは、土鍋で運ばれてきます。
土鍋からよそってもらい、
お食事 金時草と梅肉のごはん
赤味噌の味噌汁と、お新香を添えて。
土鍋はもちろん、ぺろりと完食しました。
食後 能登塩ジェラート焼き最中
パリッとした最中のなかにジェラート。旅館としては珍しいデザートでした。
夕食は、大満足でした。
別格の料理内容。食材もアレンジも器も、素晴らしいの一言です。
飲物の提供もソムリエ駐在、ラインナップも超高級でぬかりないです。
そしてダイニングの空間造りも一流と感じさせます。
食後に部屋に戻ったところ、夜食として海苔巻きが用意されていました。
夜も、山庭に面するこの空間でゆっくりと。
少し無作法ですが、イスをテラスに出して、更にこの空間を満喫します。
夜は、すずむしの声が心地よい。
かたわらの蚊取り線香の香りも、田舎を思い出す懐かしさ。良いエッセンスです。
小一時間の山庭を楽しんだ後、
布団に入り、就寝。おやすみなさい。
翌朝。
新聞は、ドアノブに掛けて届いていました。
山庭を少し散策へ。ロビー横から外に出ます。
階段を少し下り、
宿泊している部屋を、左手上階に見ながら、庭を進みます。
見えている範囲くらいまでが敷地内で、決して広大な林ではありませんが、
外空間の存在は、全く感じさせません。
山庭からロビー側を見ると見上げる形になります。
部屋に戻り、部屋の露天風呂へ。
ざぶっと入ると、眼前は曇りガラス。
さきほどの山庭からは丸見えの位置ですからね。
しかし、見上げれば、完全に緑に包まれた空間です。
朝食は、夕食と同じく懐石方林。
朝食は遅めの時間にしたので、他の客はほとんどいません。
席に着くと、初めに飲物を、とメニューが出てきます。
少量なので全種類でも、ということでしたので、
全種類をお願いしました。
牛乳(加賀分校平松牧場)・キャロットビューティー・ビタミンCスペシャル・大葉のジュース。
ご飯は土鍋で登場し、
朝食の準備完了です。
旅館の朝食らしい、和食です。
ちりめん山椒に、玉子焼き。魚の開きに、焼きたらこ。
焼き石を入れた木箱で出される焼き海苔。
この海苔の提供の仕方をする旅館は好きです。
加賀の温野菜。
土鍋のご飯はもちろん、
ぜんぶ頂きました。
食後は、ホットティーで一服。
昨日は夜で見えなかった懐石方林の、山庭に面した景色。
さわやかな空間での朝食でした。
チェックアウト前には、館内の別の部屋も見させてもらいました。
1階【特別室 白緑】
和室+書院+竹敷広縁+月見台(テラス)+ベッドルーム+温泉露天風呂
【特別室 白緑】和室と、
【特別室 白緑】ベッドルーム。
【特別室 白緑】竹敷広縁の横には、
【特別室 白緑】山庭に向いた書院があり、
旅館での仕事をしたいときに最適です。
【特別室 白緑】水回りと、
【特別室 白緑】露天風呂。
【特別室 白緑】お手洗い。
続いて、エレベーターで上がって、
2階【特別室 若葉】
和室+居間+竹敷広縁+ベッドルーム+温泉露天風呂
【特別室 若葉】踏込から、
【特別室 若葉】和室と、
【特別室 若葉】ベッドルームに加えて、
【特別室 若葉】居間もあります。
【特別室 若葉】竹敷広縁。
【特別室 若葉】水回り。
全室共通のアメニティ。
べにや無何有オリジナル薬師山アメニティ。
【特別室 若葉】シャワーブースに、
【特別室 若葉】露天風呂。
【露天風呂付き和洋室】蘇枋。
和室+竹敷広縁+ベッドルーム+温泉露天風呂
【露天風呂付き和洋室】踏込から、
【露天風呂付き和洋室】和室と、
【露天風呂付き和洋室】ベッドルーム。
【露天風呂付き和洋室】竹敷広縁。
【露天風呂付き和洋室】水回りから、
【露天風呂付き和洋室】シャワーブースを通り、
【露天風呂付き和洋室】露天風呂。
【露天風呂付き和洋室】お手洗い。
【露天風呂付き洋室】は、
宿泊した、露天風呂付き和室の部屋の横に入口があり、
【露天風呂付き洋室】扉を開けるとすぐに階段の上る形になります。
べにや無何有の中で唯一、竹敷広縁がありません。
館内を見て回っていたら、チェックアウトの時間となりましたので、
ロビーでチェックアウト。
送迎で駅まで送ってもらいました。
加賀温泉駅は工事中。
北陸新幹線敦賀延伸を作っています。
今日は駅前の日産レンタカーで借りて、ドライブでの観光です。
加賀温泉駅から車約20分で、那谷寺(なたでら)。
有料の境内は、奇岩遊仙境や、
いわや胎内くぐりのある大悲閣、
三重塔などを、ぐるっと回って少なくとも30分ほどかかります。
特別拝観は別途有料で、所要約15分。
書院や、
三尊石のある庭園があります。
続いて訪問したのが、太鼓の里浅野。
那谷寺から車約30分。小松を通り抜けて松任にあります。
ここは、大太鼓の生産について全国で7割のシェアである浅野太鼓の敷地内。
太鼓の原料となる大きな丸太が転がっています。
有料の展示スペースには、太鼓が並んでいるのですが、
ここの特徴は、太鼓を実際に叩けること。
口径180mの大太鼓も叩き放題。
ずしんとした音が鳴る太鼓を叩けるのは貴重。
一度体験の価値ありです。
太鼓の里浅野からは、車20分ほどで小松空港へ。
レンタカーを返却して、搭乗手続きを済ませます。
早めに空港に到着したので、小松空港のJALサクララウンジへ。
生ビールを一杯。
おつまみには、ハッピーターンをはじめとした亀田製菓の小分け煎餅が用意されていました。
JAL便に乗り込み、羽田への帰路につきます。
ちょうど夕暮れ時で、機内からは、
手取川の先に見える夕日がきれいでした。
べにや無何有 (読み方:べにやむかゆう)
久しぶりに最高級といえる旅館に出会いました。
施設の作りから、部屋のデザインまで、空間だけでも満足させる旅館です。
特に、山庭が、自然のさえずりをBGMとして、
竹敷広縁の窓辺でずっと、ぼーっとしていたいという感覚になります。
食事は、そのレベル感にたがわない工夫に富んだもの。
一品一品が、わあっという嬉しい気持ちになり、
ソムリエもおり、和食ながらワインとも合う。
サービスは、シティホテル的な洗練。
ルレ・エ・シャトー加盟の通り、外国人でも満足できるでしょう。
★「べにや無何有」(北陸/山代温泉) ブログ
★「べにや無何有」が好きなら、この旅館もおすすめ
「強羅花壇」(箱根/強羅温泉)
「鬼怒川金谷ホテル」(栃木/鬼怒川温泉)
「明神館」(信州/扉温泉)
「大谷山荘 別邸音信」(中国/長門湯本温泉)
「竹泉荘 CHIKUSENSO ONSEN」(東北/遠刈田温泉)
旅館・ホテルランキング
一流の証明であるルレ・エ・シャトーの加盟宿であり、期待大での訪問です。
前日の 庄川温泉風流味道座敷ゆめつづり からの続きです。
高岡駅から、あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道で約40分で金沢駅へ。
金沢駅から特急で25分、加賀温泉駅に到着です。
駅前での出迎えを受けて、送迎に乗り込みます。
田んぼの中を走って10分あまり。
べにや無何有に到着です。
エントランスから、もう超高級感があふれだしています。
玄関を通り、
フロントを抜けて、
ロビーラウンジに案内されます。
窓からは、山庭の緑。
ここで、宿帳の記入と、ウェルカムドリンクが提供されます。
リンゴジュース。
生ジュースらしく、少しドロッとしたリンゴ感たっぷり。
後方のカウンターから、包丁とミキサーの音がしたので、
到着してからの作りたてなのでしょう。
それでは、部屋に案内されます。
廊下を進み、
自動ドアを出て、屋外空間に出ます。
この屋外廊下から入室するのが、
本日の部屋 露天風呂付き和室 木賊TOKUSA。
部屋の名前はすべて色の名前からとっているとのこと。
扉を開けて・・・
はい、もう異空間です。
茶室のような、洗練された空気感。
踏込にすら、花を生けられています。
ふすまを開くと、まだ控えの間。
さらに、もう一つふすまを開くと、
はい、素晴らしい空間。
和室10畳の畳空間だけでなく、
竹敷広縁。籐のイス。
向かう先には、
月見台(テラス)。
目線は、山庭の木々。
ツクツクボーシの声に、カナカナカナというヒグラシ、そして鳥のさえずり。
この空間がすばらしい。
かたわらには蚊取り線香。なつかしさを感じさせます。
和室には、
床の間にも生け花。
ライトアップがされています。
部屋の明かりは旅館としては珍しく、中央に照明が無く、
ホテルのようにライトが配置され、間接照明のようになっています。
テレビも格納で隠されており、
開くとDVDデッキもあります。レンタルDVDあり。
ブルートゥーススピーカーも設置されていました。
このあたりはインバウンド狙いでしょうか。
金庫もあります。
部屋の奥には、
水回り空間。
洗面台に、
お手洗い。
極めて清潔です。
シャワーブースの先には、
露天風呂。
林の緑に包まれています。
水屋には、
緑茶、加賀棒茶、コーヒーにミネラルウォーター。
お茶菓子は、
地元の土産菓子です。
グラスも丁寧に格納されています。
テーブルには、宛名のみ手書きの女将のメッセージカード。
海外のシティホテルのようなサービスです。
浴衣も二枚用意と足袋。
浴衣に着替えて、大浴場に向かいます。
鍵を手に取り、
雪駄を履いて部屋を出ます。
ロビーのフロント横から、下の階へ。
大浴場。
男女入れ替えはありません。
風呂上がり用のアルカリイオン水。
脱衣場。
洗面台。
内風呂に、
洗い場。
サウナもあります。
露天風呂。
大浴場の施設は、宿泊部屋と比べて、昔の旅館のような古さを感じます。
しかし、雪駄用の識別札も、ありもののクリップなどではなく、
部屋の色の木片としてあり、配慮は一流。
外廊下には、古めかしい配電設備がありましたが、
これもうまくすだれで目隠しがされていました。
おそらく、大浴場の場所は、古い建物なのでしょうが、
配慮で目立たないようにしてあります。
風呂上がりは館内散策へ。
ロビー横から進んで、
図書室。
シックな調度品とともに、
多くの書籍が所蔵されています。
山庭に臨みながらの読書も可能。
本当に、ゆっくりと滞在を楽しみたいと思わせる旅館の空間です。
土産ショップは、土産菓子などは少なく、
九谷焼や漆器などの工芸品がおしゃれに並んでいます。
少し外にも散策に出ます。
べにや無何有は、小さな山を上ったところにあり、
道路を歩いて温泉街に行くのは、ぐるっと回って遠いのですが、
専用の近道が用意されています。
洋装の女性スタッフに入口まで案内してもらいます。
階段を下りて、とても古い建屋の空間をすすんでいくと、
これまた古いエレベーターが。
斜行エレベーターを降りて、外に出ると、
もう山代温泉の温泉街です。
温泉街には、九谷焼の窯元などもあり、
中心は、古総湯。共同浴場です。
周囲には、となりに総湯、和菓子屋や土産物屋、
そして高級旅館が軒を連ねている場所でもあります。
温泉寺や、
魯山人寓居跡などもあり、
小さい範囲で散策のできる温泉街になっています。
ふたたび、斜行エレベーターで戻ります。
入口は、べにや無何有宿泊者専用のパスワードが無いと開かない扉になっています。
べにや無何有に戻ってきました。
外観をこうしてみると、右の建物は決して新しくはない様子です。
大浴場はちょうどここにあり。
聞いたところ、以前は旅館の客室があった棟であり、
新しい建物が建ち、今は客室として利用していないとのことです。
部屋に戻り、ふたたび山庭の空間の中でゆっくりと、窓全開で。
この竹敷広縁が、あたかも外と一体となっているように感じて、
蝉の声、鳥の声を耳にしながら、自然のなかに没入。
リラックスした時間を過ごします。
そうしているうちにすっかり夜になったので、
部屋を出て夕食会場に向かいます。
ロビー横のエレベーターから、2階へ。
エレベーターが開くと、眼前に水盤。
洗練された空間です。
ダイニング、懐石方林。
スリッパに履き替えて入ります。
席に案内されます。
まだ料理が出てきていないのに、もう超高級であると感じさせます。
懐石方林は、ソムリエが駐在しており、
空間もすみずみまで洗練されています。
お品書きは和紙への印刷です。
お品書き。
一献 車多酒造
天狗舞 超辛 純米
前肴 加賀・里山里海の幸
隠元・オクラ・茗荷
鮑・岩蛸・白海老
温泉玉子と雲丹・夏鴨
器から何から、すべてレベルが別格です。
オクラ・茗荷は、小ぶりの寿司で、白海老は頭がとってある。
温泉玉子は黄身だけで、雲丹のせ。
飲物は、生ビールから。
飲物のラインナップも、なかなか高級です。
ソムリエが、ちょうどよいものを提案してくれます。
べにや無何有 ドリンクメニュー1/6。
ドリンクメニュー2/6。
ドリンクメニュー3/6。
ドリンクメニュー4/6。
ドリンクメニュー5/6。
ドリンクメニュー6/6。
続いて出てきたのが、これまた創作感のすごい、
椀替り 加賀太胡瓜のスープ
蛤・海老・銀耳
クコの実・蓮根餅
加賀太胡瓜を、器にしています。
海鮮のダシが効いていて旨味が凝縮されています。
続いては、こちら。
向付 加賀橋立漁港より
鱧やきちり・鯵たたき
能登鮪・かんぱち・甘海老
塩ぽん酢・土佐醤油・能登塩
みずみずしくて、とろけるうまさ。
刺身に合わせてお酒は、宗玄 純米吟醸。
ガラスの徳利に1合。
お猪口も薄いガラス造りで、お洒落さが際立ちます。
続いて、籠で出てきたのが、
焼き物 庄川峡 若鮎炭火焼き
たで酢
炭火で焼かれた状態で、席に運ばれてきます。
炭の香りが心地よい。
皿に盛り付けてもらいます。
まるで川で泳いでいるような盛り付け方です。
ソムリエに、焼き鮎に合わせたワインをお願いしたところ出てきたのが、
Mukayu 白SHIRO。
熟成で色がついて、勝沼の白ワインながらこの色です。
煮物 加賀野菜焼きびたし
茄子・蓮根・かぼちゃ・アスパラ・五郎島金時
続いては、鍋が運ばれてきました。
鍋 能登牛と岩水雲の鍋
新玉葱・茗荷・クレソン・すだち
ごはんは、土鍋で運ばれてきます。
土鍋からよそってもらい、
お食事 金時草と梅肉のごはん
赤味噌の味噌汁と、お新香を添えて。
土鍋はもちろん、ぺろりと完食しました。
食後 能登塩ジェラート焼き最中
パリッとした最中のなかにジェラート。旅館としては珍しいデザートでした。
夕食は、大満足でした。
別格の料理内容。食材もアレンジも器も、素晴らしいの一言です。
飲物の提供もソムリエ駐在、ラインナップも超高級でぬかりないです。
そしてダイニングの空間造りも一流と感じさせます。
食後に部屋に戻ったところ、夜食として海苔巻きが用意されていました。
夜も、山庭に面するこの空間でゆっくりと。
少し無作法ですが、イスをテラスに出して、更にこの空間を満喫します。
夜は、すずむしの声が心地よい。
かたわらの蚊取り線香の香りも、田舎を思い出す懐かしさ。良いエッセンスです。
小一時間の山庭を楽しんだ後、
布団に入り、就寝。おやすみなさい。
翌朝。
新聞は、ドアノブに掛けて届いていました。
山庭を少し散策へ。ロビー横から外に出ます。
階段を少し下り、
宿泊している部屋を、左手上階に見ながら、庭を進みます。
見えている範囲くらいまでが敷地内で、決して広大な林ではありませんが、
外空間の存在は、全く感じさせません。
山庭からロビー側を見ると見上げる形になります。
部屋に戻り、部屋の露天風呂へ。
ざぶっと入ると、眼前は曇りガラス。
さきほどの山庭からは丸見えの位置ですからね。
しかし、見上げれば、完全に緑に包まれた空間です。
朝食は、夕食と同じく懐石方林。
朝食は遅めの時間にしたので、他の客はほとんどいません。
席に着くと、初めに飲物を、とメニューが出てきます。
少量なので全種類でも、ということでしたので、
全種類をお願いしました。
牛乳(加賀分校平松牧場)・キャロットビューティー・ビタミンCスペシャル・大葉のジュース。
ご飯は土鍋で登場し、
朝食の準備完了です。
旅館の朝食らしい、和食です。
ちりめん山椒に、玉子焼き。魚の開きに、焼きたらこ。
焼き石を入れた木箱で出される焼き海苔。
この海苔の提供の仕方をする旅館は好きです。
加賀の温野菜。
土鍋のご飯はもちろん、
ぜんぶ頂きました。
食後は、ホットティーで一服。
昨日は夜で見えなかった懐石方林の、山庭に面した景色。
さわやかな空間での朝食でした。
チェックアウト前には、館内の別の部屋も見させてもらいました。
1階【特別室 白緑】
和室+書院+竹敷広縁+月見台(テラス)+ベッドルーム+温泉露天風呂
【特別室 白緑】和室と、
【特別室 白緑】ベッドルーム。
【特別室 白緑】竹敷広縁の横には、
【特別室 白緑】山庭に向いた書院があり、
旅館での仕事をしたいときに最適です。
【特別室 白緑】水回りと、
【特別室 白緑】露天風呂。
【特別室 白緑】お手洗い。
続いて、エレベーターで上がって、
2階【特別室 若葉】
和室+居間+竹敷広縁+ベッドルーム+温泉露天風呂
【特別室 若葉】踏込から、
【特別室 若葉】和室と、
【特別室 若葉】ベッドルームに加えて、
【特別室 若葉】居間もあります。
【特別室 若葉】竹敷広縁。
【特別室 若葉】水回り。
全室共通のアメニティ。
べにや無何有オリジナル薬師山アメニティ。
【特別室 若葉】シャワーブースに、
【特別室 若葉】露天風呂。
【露天風呂付き和洋室】蘇枋。
和室+竹敷広縁+ベッドルーム+温泉露天風呂
【露天風呂付き和洋室】踏込から、
【露天風呂付き和洋室】和室と、
【露天風呂付き和洋室】ベッドルーム。
【露天風呂付き和洋室】竹敷広縁。
【露天風呂付き和洋室】水回りから、
【露天風呂付き和洋室】シャワーブースを通り、
【露天風呂付き和洋室】露天風呂。
【露天風呂付き和洋室】お手洗い。
【露天風呂付き洋室】は、
宿泊した、露天風呂付き和室の部屋の横に入口があり、
【露天風呂付き洋室】扉を開けるとすぐに階段の上る形になります。
べにや無何有の中で唯一、竹敷広縁がありません。
館内を見て回っていたら、チェックアウトの時間となりましたので、
ロビーでチェックアウト。
送迎で駅まで送ってもらいました。
加賀温泉駅は工事中。
北陸新幹線敦賀延伸を作っています。
今日は駅前の日産レンタカーで借りて、ドライブでの観光です。
加賀温泉駅から車約20分で、那谷寺(なたでら)。
有料の境内は、奇岩遊仙境や、
いわや胎内くぐりのある大悲閣、
三重塔などを、ぐるっと回って少なくとも30分ほどかかります。
特別拝観は別途有料で、所要約15分。
書院や、
三尊石のある庭園があります。
続いて訪問したのが、太鼓の里浅野。
那谷寺から車約30分。小松を通り抜けて松任にあります。
ここは、大太鼓の生産について全国で7割のシェアである浅野太鼓の敷地内。
太鼓の原料となる大きな丸太が転がっています。
有料の展示スペースには、太鼓が並んでいるのですが、
ここの特徴は、太鼓を実際に叩けること。
口径180mの大太鼓も叩き放題。
ずしんとした音が鳴る太鼓を叩けるのは貴重。
一度体験の価値ありです。
太鼓の里浅野からは、車20分ほどで小松空港へ。
レンタカーを返却して、搭乗手続きを済ませます。
早めに空港に到着したので、小松空港のJALサクララウンジへ。
生ビールを一杯。
おつまみには、ハッピーターンをはじめとした亀田製菓の小分け煎餅が用意されていました。
JAL便に乗り込み、羽田への帰路につきます。
ちょうど夕暮れ時で、機内からは、
手取川の先に見える夕日がきれいでした。
べにや無何有 (読み方:べにやむかゆう)
久しぶりに最高級といえる旅館に出会いました。
施設の作りから、部屋のデザインまで、空間だけでも満足させる旅館です。
特に、山庭が、自然のさえずりをBGMとして、
竹敷広縁の窓辺でずっと、ぼーっとしていたいという感覚になります。
食事は、そのレベル感にたがわない工夫に富んだもの。
一品一品が、わあっという嬉しい気持ちになり、
ソムリエもおり、和食ながらワインとも合う。
サービスは、シティホテル的な洗練。
ルレ・エ・シャトー加盟の通り、外国人でも満足できるでしょう。
★「べにや無何有」(北陸/山代温泉) ブログ
★「べにや無何有」が好きなら、この旅館もおすすめ
「強羅花壇」(箱根/強羅温泉)
「鬼怒川金谷ホテル」(栃木/鬼怒川温泉)
「明神館」(信州/扉温泉)
「大谷山荘 別邸音信」(中国/長門湯本温泉)
「竹泉荘 CHIKUSENSO ONSEN」(東北/遠刈田温泉)
べにや無何有
料金・基本情報はこちら ▶ べにや無何有
旅館・ホテルランキング