信州にある星野リゾート 界 アルプスに行って来ました。
星野リゾートの界ブランドは初めてなので、
実際どのようなレベルなのかな?と思っての訪問です。
東京駅から北陸新幹線にて1時間半あまり。
長野駅に到着です。
Tokyo2020の前は、1998年の長野冬季五輪でしたね。
コンコースには、誇らしげにエンブレムが掲げられています。
長野駅では、駅ビルMIDORIにある、いろは堂へ立ち寄り。
信州名物おやき。
選んだのは、一番メジャーな野沢菜。
モチモチした生地は、もはやパンみたいでした。
長野駅から大町温泉郷までは特急バスで80分ですが、
この日は、のってたのしい列車、快速リゾートビューふるさとで向かうことにしました。
信濃大町まで、名所で停まりながら2時間余りで行く観光列車です。
木目調のデザインの車内には、
長野県のPRキャラクター、アルクマも乗っていました。
第9回ゆるキャラグランプリ。
車両の前面は、展望室になっています。
リゾートビューふるさとの一番いい席はどこかというと、
展望室に人がいなければ、1号車1-C。
進行方向前面と、左前方の景色を楽しむことができます。
しかし、だいたい展望室に人がいるので、1号車1-Aが無難。
一番のビューポイントである姨捨は左側の景色なので、A席側になります。
最初の名所、姨捨駅でしばらく停車。
日本三大車窓に数えられる景色は、善光寺平の一望と、
田毎の月で有名な棚田を眼前にします。
スイッチバックでも知られる姨捨駅は、
利用客の少ない、田舎の駅の一つでありましたが、
最近は観光資源として、駅舎もきれいになりました。
松本駅からは、進行方向が変わり大糸線に入ます。
大糸線では、リゾートビューふるさとのD席側の車窓が、北アルプスの景色です。
リゾートビューふるさとは、穂高駅でも30分余り停車。
希望者は、穂高神社を巫女による案内で参拝ができまるようになっていますが、
しばらくの間はコロナ対策で中止。各自での散策を案内されていました。
私は、穂高駅でリゾートビューふるさとにお別れして途中下車。
駅前でレンタサイクルを借りて、
穂高駅から3kmほどのところにある大王わさび農場に向かいました。
安曇野のきれいな水によって作られるわさびの農場は、東京ドーム10個分以上の広さ!
入場は無料です。
昼食はもちろん、わさびをと、レストラン大王へ。
昼食時は過ぎていましたが、並んでいて20分待ち。
ロッジ風のレストランで、
案内されたカウンター席は、わさび畑ビュー。
ここで注文したのが、
本わさび丼。
本わさびがそのままで出てくるので、自分ですりおろします。
かつお節丼に、ほろっこ漬(わさびの茎と芋の甘酢漬け)と共にのせて、
醤油をかけて混ぜて、丼をかきこみます。
本物のわさびは、口当たりの甘みと、後から辛さが襲ってきます。
昼食後は、大王わさび農場をぐるっと散策しながら、
本わさびソフトクリームをペロリ。
辛さは感じませんが、しっかりとわさびの味がしました。
最後にお土産に、生わさびを購入しました。
再びレンタサイクルで穂高駅前に戻り、
穂高神社も立ち寄ります。
日本アルプスの総鎮守とも呼ばれる神社。
社務所でお守りの取扱があるほか、境内には土産店も1軒ありました。
穂高駅に戻り、大糸線に乗り込みます。
穂高駅から約30分で、信濃大町駅に到着。
信濃大町駅からバスで13分、大町温泉郷に到着です。
宿までは、道をまっすぐ歩いて突き当たりまで8分。
界アルプスに到着です。
コロナ対策で、屋外の臨時カウンターで検温をしたのち、
スキーの乾燥室「Hutte Alps」で待たされます。
しばらく待たされた後、部屋へ案内をされます。
客室西棟へ。
2017年築ということで新しいですが、プレハブ壁の様な建物。
本日の部屋はこちら。
107。信濃おもてなしの間 和室(ご当地部屋)42㎡。
踏込から、
和室。
ベッド2台に、リビング空間。
和室を反対から。
ホテルのように、間接照明だけで、暗めの部屋作りです。
ご当地部屋「信濃もてなしの間」として、
部屋の中には、地域にゆかりのあるものがしつらえてあります。
ベッドライナーは、上田紬。
窓からのビューは、畑。
よくみれば、リビング空間はソファーではなく、
クッションを置いている形でした。
これであれば、汚れてもその部分を交換するだけで済みますね。
畳も、縁無し畳のナイロン製、
アプローチもフローリング。
清掃もしやすく、傷が付きにくい、
メンテナンスコストの低くおさえられるように、との工夫を感じます。
水回りとシャワーブース。
設置アメニティは、界ブランドと、
おしゃれな風呂敷の中には、歯ブラシ類。
風呂敷は、お土産として持ち帰りができます。
お手洗い。
館内着は、浴衣ではなく、作務衣に丹前。
冷蔵庫。
茶器類。
ご当地部屋として、磁器は上田市の阿部春弥氏の作品とのこと。
部屋のお菓子はテーブル上に、
界アルプスオリジナルの、そばの実入くるみゆべし が用意されていました。
チェックインは部屋にて宿帳記入。
各種案内はリーフレットでした。
それでは、鍵を手に取り、
雪駄で外へ出てみます。
ご当地部屋として、行灯には松崎和紙が使われていました。
大浴場は、温泉棟の2階にあります。
タオル、バスタオル完備で、
内風呂と、露天風呂がありました。
温泉棟1階には、湯上り処。
飲物として、そば茶、しそりんご酢と、
アイスキャンディーが用意されていました。
子どもは喜びそうですね。
器は、信州の松代焼。
星野リゾート界ブランドは、「その地域ならでは」をコンセプトにしているそうで、
地元の特産品が多く利用されています。
また、星野リゾート界ブランドには、
地域の文化を体験させる「ご当地楽」というものが用意されているそうです。
界アルプスのご当地楽は、囲炉裏。
囲炉裏では、時間帯によって様々なサービスが提供されており、
この時間は、おやきの提供。
スタッフが、囲炉裏で焼いてくれています。
野沢菜のおやき。
焼き立ての提供なので、焦げ目のあるカリっ、モチっとした美味しいおやきでした。
囲炉裏は、フロントロビーの隣にあり、
囲炉裏に客が多い場合は、この空間に流し込めるほか、
隣接のショップへの誘導にもなっており、上手いオペレーションが考えられています。
トラベルライブラリーもあり、
コーヒー、紅茶などが用意されています。
界アルプスの奥には、小さなお寺がありました。
泉獄寺というらしいのですが、敷地内というわけでなく、
界アルプスが、もともと公道の右側にあった旅館から、
増築で左側にも作り、公道を挟んでの一体のような旅館空間にしたようです。
そのため、門前から続く、いま立っている場所は、旅館の敷地ではなく、公道です。
宿の敷地内には、中庭に、左手は客室東棟。
正面は、離れの部屋です。
そうこうしているうちに、すっかりと夜になり、
空には月、
宿には灯りに火が入りました。
夕食の時間となり、食事処に向かいます。
カウンターで部屋番号を伝えて、
個室に案内されます。
隣と仕切られてはいますが、上が繋がっている空間です。
BGMは琴。
最初のセット。
本日のお献立。
3つ折りのお献立です。
飲み物は、地ビール 氷河ラガー ではじめます。
土鍋ご飯は、席で火が入れられます。
炊き上がりまで30分。
先付け ローストビーフと信州サーモンの鳴門
石が敷かれた籠での提供。
目には楽しく、味は普通でした。
次に、きれいな椀で手出来たのは、
煮物椀 錦秋鶉進上 振り柚子
きれいな盛り付け。味は普通でした。
続いて、松葉を挿した籠で出てきたのが、
宝楽盛り
八寸 落花生旨煮
秋刀魚幽庵焼
鶏と干し葡萄の松風
炙り太刀魚寿司
長芋すり流し 三倍酢ジュレ
烏賊の酒盗和え とびこ 菊花
いんげんの胡麻味噌
お造り お造り取り合わせ
酢の物 茸の土佐酢和え
お造りは、本わさびをすりおろして合わせて頂きます。
飲み物は日本酒に移り、地酒大雪渓。
焼き物 鮭と茸の袱紗焼き
揚げたてと思いきや、ぬるめでした。
これまた良さげな漆の器で出てきたのは、
蓋物 茄子の葛饅頭 海老の芝煮
雲丹と菊花餡
器はきれいですが、ぬるめで、味はやはり普通です。
ここで、土鍋ご飯に、
紅葉鯛と、松茸白舞茸、柚子のスライスが投入されます。
しばらく蒸らして、炊き上がり。
旬彩土鍋ご飯 紅葉鯛の割り地焼き
松茸 白舞茸
止め椀 香の物
土鍋のご飯は、全部ぺろりと頂きました。
甘味 界アルプス特製
林檎のシャーベット はちみつと山葵の香り
ヨーグルトにわさびは、独特の味。
祝い事を理由に、チョコレートプレートを添えてくれました。
特別扱いかと思ったら、帰り際に他の席の料理が見えたら、そちらにも同じプレートあり。
特別扱いだと感じさせる小さなサービスを、
日常作業で提供できるように、オペレーションが整備されているのでしょうね。
界アルプスの夕食は、演出や器は映えるものでした。
写真を見返すと、とても写真映えしています。
が、料理は作りたて感がありません。
袱紗焼きが熱々ではなかったり、蓋物もぬるかったり、
大量一気に調理して盛り付けているのでしょうね。
味も、口に入れた瞬間の喜びがない。
器や飾りのこだわりにくらべて、普通の味でした。
個室ではあるものの、上がつながっている空間で、周りの家族連れの騒がしい声と相まって、
さも、和食ファミレスに来たような気分でした。
配膳スタッフも客数に対して少ないのか、常に忙しそうでした。
食後は、再び囲炉裏へ。
夜は、日本酒のサービス。
地酒の白馬錦を熱燗で。
「おつまみは無いけど、おかわりはあります」という勧めに乗り、
おちょこを幾杯かを頂きました。
囲炉裏で日本酒を頂いた後は、
館内に夜食処もないので、部屋に戻り、
早々に就寝。
おやすみなさい。
翌朝。
まだ日の出前の6時半に起きたのは、
界のうるはし現代湯治として、
6時半から行われる、アルプス体操に参加するため。
ホテルスタッフがインストラクターになる体操は、
山登りをイメージしたオリジナルの体操とのことでした。
日の出も迎え、だいぶ明るくなってきました。
朝風呂として、大浴場に向かいます。
風呂上がりは、ご当地楽 囲炉裏へ。
朝食前の時間は、おかゆの用意。
朝はスタッフもおらず、釜からセルフサービスです。
塩をわずかにかけて、さらさらっと頂きました。
朝食は、一番早い7時からにしましたので、
食事処に向かいます。
昨晩と同じ個室に案内されます。
朝のBGMはハープ。早い時間でしたので、客も少なく静かです。
テーブルのセット。
あさごはんにもお品書きの用意がありました。
食事がおぼんで運ばれてきました。
器の蓋をあけて、、
ご当地ジュース シナノゴールド
蓋物 湯葉 餡かけ
小鉢 大豆の旨煮と塩丸いか
豆腐の野沢菜納豆かけ
卵料理 干し大根玉子とじ
焼き物 焼鮭と豚味噌漬け
花豆甘煮
食事 白飯 香の物
茸と鶏の味噌汁 鉄鍋仕立て
朝食らしく、いずれも少しずつの盛り付けの料理。
一番最初の時間だったはずですが、蓋物の湯葉は既にぬるかったです。
味噌汁は、その場でコンロにかけて温められます。
3杯分はあろうかという量です。
味噌汁を自分でよそって。
傍らには、信州善光寺の八幡屋礒五郎。ゆず七味でした。
ご飯はいい感じのおひつでの提供。
おひつのご飯は、
もちろん全部頂きました。
観光行程もあるので、食後には早めにフロントでチェックアウト。
明るく晴れた空の下、大町温泉郷のバス停へと歩きだします。
大町温泉郷は、昭和に、葛温泉からの引湯で計画的に造成された温泉団地です。
直線的で広い道路と高度成長期の建物が、造成別荘地の印象をうけますが、
人通りが無く、左右の旅館は暗く、営業しているかも定かでありません。
打ち捨てられた別荘地のような感もあり、
その中で満館の客が入っている界アルプスは、隔絶された空間とも感じます。
大町温泉郷バス停付近も、古い土産店などが寂しげにあるのみです。
大町温泉郷バス停から、扇沢行きのバスに乗り込みます。
大町温泉郷から約30分で、扇沢駅に到着。
扇沢駅は、高度成長期に作られた感のある古い施設ですが、
バスは、トロリーバスから、
2019年に電気バスに置き換わり、最新の車両となっていました。
旧トロリーバスの運行区間であったトンネルを、ずっと進みます。
破砕帯は青い照明で示されており、
途中、対向車と行き違い、
約15分で、黒部ダム駅に到着。
展望台からの黒部ダム。
エメラルドグリーンの湖面。
黒部ダムの先には、
目を上に向ければ、立山連峰。
アルペンルートを抜けずに、黒部ダムだけの訪問であれば、
滞在は20-30分で終わりますので、再び黒部ダム駅へ。
電気バスで再び、扇沢駅に戻ってきました。
昼食には、扇沢レストハウスへ。
これぞ団体客用といったお店です。小学生の修学旅行団体がいました。
ここは、黒部ダムカレー発祥の店ということで、
黒部ダムカレー。
ご飯を堰堤、ルーをダム湖に見立てたグリーンカレー。
カツの遊覧船が2つ浮かべられています。
扇沢からは、長野駅行きの特急バスに乗り込みます。
犀川沿いなどを走りながら、
扇沢から1時間45分で、長野駅東口に到着です。
新幹線に乗り込む前に立ち寄ったのが、
駅ビルMIDORI長野の2Fにある、信州くらうど。
ここでは、長野の地酒を楽しむことができます。
日本酒利き酒セット700円を。
季節のお漬け物セット360円とともに。
利き酒セットは、日替わり9種の中から、3種を選べます。
この日は、十二六ライトどぶろく(武重本家酒造)、一滴二滴(志賀泉酒造)、七笑生原酒
を選びました。
十二六ライトは、甘酒のようでさっと飲めてしまい危険でした。
さて、帰りも北陸新幹線で碓氷峠を越えますので、
おぎのやの「峠の釜めし」を買いたいと思ったのですが、
長野駅の構内にも駅ビルにも、見当たりません。
長野駅で峠の釜めしはどこで買えるのかと調べたところ、ありました。
善光寺口を出て、バスロータリーの向かいにある、
ながの東急百貨店へ。
地下1階食料品売り場の隅に、ひっそりとながら常設で、
峠の釜めしおぎのや ながの東急店。
長野駅でおぎのや峠の釜めしが買える唯一の場所です。
益子焼の容器のも、エコ容器(パルプモールド容器)のも販売しています。
釜めしを手に持って、北陸新幹線あさまに乗り込み、
碓氷峠を越えながら、釜めしの紐を解きます。
新幹線開業前、特急あさまの停車時間に横川駅ホームで立ち売りしていた時代から、
変わらぬ形の釜めし。
旅情を懐かしみながら、東京へ帰りました。
界 アルプス
ちょっと得した、コスパが良い、高級感をリーズナブルに、という評価の宿かと思います。
表面的にはきれいでおしゃれ、ご当地楽などの小さなサービスが積み重ねられ、良い驚きの演出があります。
でも、モノの値段は決まっています。コスパが良いと見えるということは、どこかが削られているということ。
大量一気調理のぬるい料理に、口に入れた瞬間の喜びがない料理。少ないサービススタッフ。
何かが一歩ずつ足りないような気がします。
接点で嫌なところはないけれど、
本社で良く練られたフォームに、はめている感じ。
星野リゾートという会社は、
現場の従業員に考えさせて、ボトムアップで工夫すると聞いていたのですが。
客層は20-30歳台女性が多く、次に年配女性グループと老夫婦。すこし騒がしいです。
スタッフは若く、20-30歳台のしっかりした男女が多い印象です。
星野リゾートの経営だ、と期待しすぎると厳しいですが、
何の努力もしない古い旅館よりは、断然いい旅館。若年層には、満足度は高いと思います。
★界 アルプス(信州/大町温泉郷) ブログ
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コンコースには、誇らしげにエンブレムが掲げられています。
長野駅では、駅ビルMIDORIにある、いろは堂へ立ち寄り。
信州名物おやき。
選んだのは、一番メジャーな野沢菜。
モチモチした生地は、もはやパンみたいでした。
長野駅から大町温泉郷までは特急バスで80分ですが、
この日は、のってたのしい列車、快速リゾートビューふるさとで向かうことにしました。
信濃大町まで、名所で停まりながら2時間余りで行く観光列車です。
木目調のデザインの車内には、
長野県のPRキャラクター、アルクマも乗っていました。
第9回ゆるキャラグランプリ。
車両の前面は、展望室になっています。
リゾートビューふるさとの一番いい席はどこかというと、
展望室に人がいなければ、1号車1-C。
進行方向前面と、左前方の景色を楽しむことができます。
しかし、だいたい展望室に人がいるので、1号車1-Aが無難。
一番のビューポイントである姨捨は左側の景色なので、A席側になります。
最初の名所、姨捨駅でしばらく停車。
日本三大車窓に数えられる景色は、善光寺平の一望と、
田毎の月で有名な棚田を眼前にします。
スイッチバックでも知られる姨捨駅は、
利用客の少ない、田舎の駅の一つでありましたが、
最近は観光資源として、駅舎もきれいになりました。
松本駅からは、進行方向が変わり大糸線に入ます。
大糸線では、リゾートビューふるさとのD席側の車窓が、北アルプスの景色です。
リゾートビューふるさとは、穂高駅でも30分余り停車。
希望者は、穂高神社を巫女による案内で参拝ができまるようになっていますが、
しばらくの間はコロナ対策で中止。各自での散策を案内されていました。
私は、穂高駅でリゾートビューふるさとにお別れして途中下車。
駅前でレンタサイクルを借りて、
穂高駅から3kmほどのところにある大王わさび農場に向かいました。
安曇野のきれいな水によって作られるわさびの農場は、東京ドーム10個分以上の広さ!
入場は無料です。
昼食はもちろん、わさびをと、レストラン大王へ。
昼食時は過ぎていましたが、並んでいて20分待ち。
ロッジ風のレストランで、
案内されたカウンター席は、わさび畑ビュー。
ここで注文したのが、
本わさび丼。
本わさびがそのままで出てくるので、自分ですりおろします。
かつお節丼に、ほろっこ漬(わさびの茎と芋の甘酢漬け)と共にのせて、
醤油をかけて混ぜて、丼をかきこみます。
本物のわさびは、口当たりの甘みと、後から辛さが襲ってきます。
昼食後は、大王わさび農場をぐるっと散策しながら、
本わさびソフトクリームをペロリ。
辛さは感じませんが、しっかりとわさびの味がしました。
最後にお土産に、生わさびを購入しました。
再びレンタサイクルで穂高駅前に戻り、
穂高神社も立ち寄ります。
日本アルプスの総鎮守とも呼ばれる神社。
社務所でお守りの取扱があるほか、境内には土産店も1軒ありました。
穂高駅に戻り、大糸線に乗り込みます。
穂高駅から約30分で、信濃大町駅に到着。
信濃大町駅からバスで13分、大町温泉郷に到着です。
宿までは、道をまっすぐ歩いて突き当たりまで8分。
界アルプスに到着です。
コロナ対策で、屋外の臨時カウンターで検温をしたのち、
スキーの乾燥室「Hutte Alps」で待たされます。
しばらく待たされた後、部屋へ案内をされます。
客室西棟へ。
2017年築ということで新しいですが、プレハブ壁の様な建物。
本日の部屋はこちら。
107。信濃おもてなしの間 和室(ご当地部屋)42㎡。
踏込から、
和室。
ベッド2台に、リビング空間。
和室を反対から。
ホテルのように、間接照明だけで、暗めの部屋作りです。
ご当地部屋「信濃もてなしの間」として、
部屋の中には、地域にゆかりのあるものがしつらえてあります。
ベッドライナーは、上田紬。
窓からのビューは、畑。
よくみれば、リビング空間はソファーではなく、
クッションを置いている形でした。
これであれば、汚れてもその部分を交換するだけで済みますね。
畳も、縁無し畳のナイロン製、
アプローチもフローリング。
清掃もしやすく、傷が付きにくい、
メンテナンスコストの低くおさえられるように、との工夫を感じます。
水回りとシャワーブース。
設置アメニティは、界ブランドと、
おしゃれな風呂敷の中には、歯ブラシ類。
風呂敷は、お土産として持ち帰りができます。
お手洗い。
館内着は、浴衣ではなく、作務衣に丹前。
冷蔵庫。
茶器類。
ご当地部屋として、磁器は上田市の阿部春弥氏の作品とのこと。
部屋のお菓子はテーブル上に、
界アルプスオリジナルの、そばの実入くるみゆべし が用意されていました。
チェックインは部屋にて宿帳記入。
各種案内はリーフレットでした。
それでは、鍵を手に取り、
雪駄で外へ出てみます。
ご当地部屋として、行灯には松崎和紙が使われていました。
大浴場は、温泉棟の2階にあります。
タオル、バスタオル完備で、
内風呂と、露天風呂がありました。
温泉棟1階には、湯上り処。
飲物として、そば茶、しそりんご酢と、
アイスキャンディーが用意されていました。
子どもは喜びそうですね。
器は、信州の松代焼。
星野リゾート界ブランドは、「その地域ならでは」をコンセプトにしているそうで、
地元の特産品が多く利用されています。
また、星野リゾート界ブランドには、
地域の文化を体験させる「ご当地楽」というものが用意されているそうです。
界アルプスのご当地楽は、囲炉裏。
囲炉裏では、時間帯によって様々なサービスが提供されており、
この時間は、おやきの提供。
スタッフが、囲炉裏で焼いてくれています。
野沢菜のおやき。
焼き立ての提供なので、焦げ目のあるカリっ、モチっとした美味しいおやきでした。
囲炉裏は、フロントロビーの隣にあり、
囲炉裏に客が多い場合は、この空間に流し込めるほか、
隣接のショップへの誘導にもなっており、上手いオペレーションが考えられています。
トラベルライブラリーもあり、
コーヒー、紅茶などが用意されています。
界アルプスの奥には、小さなお寺がありました。
泉獄寺というらしいのですが、敷地内というわけでなく、
界アルプスが、もともと公道の右側にあった旅館から、
増築で左側にも作り、公道を挟んでの一体のような旅館空間にしたようです。
そのため、門前から続く、いま立っている場所は、旅館の敷地ではなく、公道です。
宿の敷地内には、中庭に、左手は客室東棟。
正面は、離れの部屋です。
そうこうしているうちに、すっかりと夜になり、
空には月、
宿には灯りに火が入りました。
夕食の時間となり、食事処に向かいます。
カウンターで部屋番号を伝えて、
個室に案内されます。
隣と仕切られてはいますが、上が繋がっている空間です。
BGMは琴。
最初のセット。
本日のお献立。
3つ折りのお献立です。
飲み物は、地ビール 氷河ラガー ではじめます。
土鍋ご飯は、席で火が入れられます。
炊き上がりまで30分。
先付け ローストビーフと信州サーモンの鳴門
石が敷かれた籠での提供。
目には楽しく、味は普通でした。
次に、きれいな椀で手出来たのは、
煮物椀 錦秋鶉進上 振り柚子
きれいな盛り付け。味は普通でした。
続いて、松葉を挿した籠で出てきたのが、
宝楽盛り
八寸 落花生旨煮
秋刀魚幽庵焼
鶏と干し葡萄の松風
炙り太刀魚寿司
長芋すり流し 三倍酢ジュレ
烏賊の酒盗和え とびこ 菊花
いんげんの胡麻味噌
お造り お造り取り合わせ
酢の物 茸の土佐酢和え
お造りは、本わさびをすりおろして合わせて頂きます。
飲み物は日本酒に移り、地酒大雪渓。
焼き物 鮭と茸の袱紗焼き
揚げたてと思いきや、ぬるめでした。
これまた良さげな漆の器で出てきたのは、
蓋物 茄子の葛饅頭 海老の芝煮
雲丹と菊花餡
器はきれいですが、ぬるめで、味はやはり普通です。
ここで、土鍋ご飯に、
紅葉鯛と、松茸白舞茸、柚子のスライスが投入されます。
しばらく蒸らして、炊き上がり。
旬彩土鍋ご飯 紅葉鯛の割り地焼き
松茸 白舞茸
止め椀 香の物
土鍋のご飯は、全部ぺろりと頂きました。
甘味 界アルプス特製
林檎のシャーベット はちみつと山葵の香り
ヨーグルトにわさびは、独特の味。
祝い事を理由に、チョコレートプレートを添えてくれました。
特別扱いかと思ったら、帰り際に他の席の料理が見えたら、そちらにも同じプレートあり。
特別扱いだと感じさせる小さなサービスを、
日常作業で提供できるように、オペレーションが整備されているのでしょうね。
界アルプスの夕食は、演出や器は映えるものでした。
写真を見返すと、とても写真映えしています。
が、料理は作りたて感がありません。
袱紗焼きが熱々ではなかったり、蓋物もぬるかったり、
大量一気に調理して盛り付けているのでしょうね。
味も、口に入れた瞬間の喜びがない。
器や飾りのこだわりにくらべて、普通の味でした。
個室ではあるものの、上がつながっている空間で、周りの家族連れの騒がしい声と相まって、
さも、和食ファミレスに来たような気分でした。
配膳スタッフも客数に対して少ないのか、常に忙しそうでした。
食後は、再び囲炉裏へ。
夜は、日本酒のサービス。
地酒の白馬錦を熱燗で。
「おつまみは無いけど、おかわりはあります」という勧めに乗り、
おちょこを幾杯かを頂きました。
囲炉裏で日本酒を頂いた後は、
館内に夜食処もないので、部屋に戻り、
早々に就寝。
おやすみなさい。
翌朝。
まだ日の出前の6時半に起きたのは、
界のうるはし現代湯治として、
6時半から行われる、アルプス体操に参加するため。
ホテルスタッフがインストラクターになる体操は、
山登りをイメージしたオリジナルの体操とのことでした。
日の出も迎え、だいぶ明るくなってきました。
朝風呂として、大浴場に向かいます。
風呂上がりは、ご当地楽 囲炉裏へ。
朝食前の時間は、おかゆの用意。
朝はスタッフもおらず、釜からセルフサービスです。
塩をわずかにかけて、さらさらっと頂きました。
朝食は、一番早い7時からにしましたので、
食事処に向かいます。
昨晩と同じ個室に案内されます。
朝のBGMはハープ。早い時間でしたので、客も少なく静かです。
テーブルのセット。
あさごはんにもお品書きの用意がありました。
食事がおぼんで運ばれてきました。
器の蓋をあけて、、
ご当地ジュース シナノゴールド
蓋物 湯葉 餡かけ
小鉢 大豆の旨煮と塩丸いか
豆腐の野沢菜納豆かけ
卵料理 干し大根玉子とじ
焼き物 焼鮭と豚味噌漬け
花豆甘煮
食事 白飯 香の物
茸と鶏の味噌汁 鉄鍋仕立て
朝食らしく、いずれも少しずつの盛り付けの料理。
一番最初の時間だったはずですが、蓋物の湯葉は既にぬるかったです。
味噌汁は、その場でコンロにかけて温められます。
3杯分はあろうかという量です。
味噌汁を自分でよそって。
傍らには、信州善光寺の八幡屋礒五郎。ゆず七味でした。
ご飯はいい感じのおひつでの提供。
おひつのご飯は、
もちろん全部頂きました。
観光行程もあるので、食後には早めにフロントでチェックアウト。
明るく晴れた空の下、大町温泉郷のバス停へと歩きだします。
大町温泉郷は、昭和に、葛温泉からの引湯で計画的に造成された温泉団地です。
直線的で広い道路と高度成長期の建物が、造成別荘地の印象をうけますが、
人通りが無く、左右の旅館は暗く、営業しているかも定かでありません。
打ち捨てられた別荘地のような感もあり、
その中で満館の客が入っている界アルプスは、隔絶された空間とも感じます。
大町温泉郷バス停付近も、古い土産店などが寂しげにあるのみです。
大町温泉郷バス停から、扇沢行きのバスに乗り込みます。
大町温泉郷から約30分で、扇沢駅に到着。
扇沢駅は、高度成長期に作られた感のある古い施設ですが、
バスは、トロリーバスから、
2019年に電気バスに置き換わり、最新の車両となっていました。
旧トロリーバスの運行区間であったトンネルを、ずっと進みます。
破砕帯は青い照明で示されており、
途中、対向車と行き違い、
約15分で、黒部ダム駅に到着。
展望台からの黒部ダム。
エメラルドグリーンの湖面。
黒部ダムの先には、
目を上に向ければ、立山連峰。
アルペンルートを抜けずに、黒部ダムだけの訪問であれば、
滞在は20-30分で終わりますので、再び黒部ダム駅へ。
電気バスで再び、扇沢駅に戻ってきました。
昼食には、扇沢レストハウスへ。
これぞ団体客用といったお店です。小学生の修学旅行団体がいました。
ここは、黒部ダムカレー発祥の店ということで、
黒部ダムカレー。
ご飯を堰堤、ルーをダム湖に見立てたグリーンカレー。
カツの遊覧船が2つ浮かべられています。
扇沢からは、長野駅行きの特急バスに乗り込みます。
犀川沿いなどを走りながら、
扇沢から1時間45分で、長野駅東口に到着です。
新幹線に乗り込む前に立ち寄ったのが、
駅ビルMIDORI長野の2Fにある、信州くらうど。
ここでは、長野の地酒を楽しむことができます。
日本酒利き酒セット700円を。
季節のお漬け物セット360円とともに。
利き酒セットは、日替わり9種の中から、3種を選べます。
この日は、十二六ライトどぶろく(武重本家酒造)、一滴二滴(志賀泉酒造)、七笑生原酒
を選びました。
十二六ライトは、甘酒のようでさっと飲めてしまい危険でした。
さて、帰りも北陸新幹線で碓氷峠を越えますので、
おぎのやの「峠の釜めし」を買いたいと思ったのですが、
長野駅の構内にも駅ビルにも、見当たりません。
長野駅で峠の釜めしはどこで買えるのかと調べたところ、ありました。
善光寺口を出て、バスロータリーの向かいにある、
ながの東急百貨店へ。
地下1階食料品売り場の隅に、ひっそりとながら常設で、
峠の釜めしおぎのや ながの東急店。
長野駅でおぎのや峠の釜めしが買える唯一の場所です。
益子焼の容器のも、エコ容器(パルプモールド容器)のも販売しています。
釜めしを手に持って、北陸新幹線あさまに乗り込み、
碓氷峠を越えながら、釜めしの紐を解きます。
新幹線開業前、特急あさまの停車時間に横川駅ホームで立ち売りしていた時代から、
変わらぬ形の釜めし。
旅情を懐かしみながら、東京へ帰りました。
界 アルプス
ちょっと得した、コスパが良い、高級感をリーズナブルに、という評価の宿かと思います。
表面的にはきれいでおしゃれ、ご当地楽などの小さなサービスが積み重ねられ、良い驚きの演出があります。
でも、モノの値段は決まっています。コスパが良いと見えるということは、どこかが削られているということ。
大量一気調理のぬるい料理に、口に入れた瞬間の喜びがない料理。少ないサービススタッフ。
何かが一歩ずつ足りないような気がします。
接点で嫌なところはないけれど、
本社で良く練られたフォームに、はめている感じ。
星野リゾートという会社は、
現場の従業員に考えさせて、ボトムアップで工夫すると聞いていたのですが。
客層は20-30歳台女性が多く、次に年配女性グループと老夫婦。すこし騒がしいです。
スタッフは若く、20-30歳台のしっかりした男女が多い印象です。
星野リゾートの経営だ、と期待しすぎると厳しいですが、
何の努力もしない古い旅館よりは、断然いい旅館。若年層には、満足度は高いと思います。
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