いい旅館訪問記 旅館マニアによる高級旅館のおすすめブログ

東京在住の旅館マニアが、口コミ・ランキングに頼らない現地情報を紹介するブログ。 「その旅館が好きなら、この旅館もおすすめ」というリンクも紹介中。 住まいから関東の温泉宿が中心になると思います。

カテゴリ: 北陸(加賀・富山)

加賀温泉郷、山中温泉の 花紫 に行ってきました。
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全国で唯一、約50種類の料理から選べるアラカルト懐石がある高級旅館です。

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起点は加賀温泉駅から。

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花紫の送迎は、12時~18時の到着時間に合せてのお迎え。前日までに事前予約です。
加賀温泉駅から送迎で20分。

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花紫に到着です。
雨の中、洋装のスタッフが番傘を持ってお出迎え。

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玄関前の庭を進み、

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玄関は、のれんが風にゆられて。

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のれんの先は自動ドア。

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自動ドアが開くと、香のかおり。

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香が焚かれていますね。気持ちが高まります。

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さらに自動ドアを入ると、

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正面にフロントカウンター。

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スタッフの洋装と相まって、ホテルのようです。

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名前を名乗って、ロビーに案内されます。

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水が落ちるオブジェもモダン。

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ロビーフロアは、2022年に改修リニューアル。
和の空間から、うって変わって洋空間になりました。

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ロビーで宿帳に記入してチェックイン。

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ここでウェルカムティーが提供されます。
花紫は、2022年のリニューアルで茶房がオープン。お茶にはこだわりがあります。

はじめに、琥珀糖と干菓子。

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そして、茶房オリジナルのブレンドティー。
蒸し製玉緑茶と大葉とスダチの皮。

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目の前で、素材の紹介とともに、入れてくれます。

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大葉の香りがふわっとするお茶でした。

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さて、部屋に案内されます。
フロントがあるのは4階。

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銀箔壁紙のエレベーターに、洋装のスタッフの案内で乗り込み、

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2階でエレベーターのドアが開くと、着物姿の仲居さんがお出迎え。
フロント係と部屋係が、完全に分業しているのだそうです。

宿泊フロアは、昔ながらの大型和旅館のたたずまい。

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本日の部屋。夏の5、205号室。
基本和室、本間12.5畳+踏込2畳+応接+書院+床の間。

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ドアを開けると、坪庭と踏込。

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和室12.5畳。

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和室の床の間側。

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和室を反対から。

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部屋に入って説明されるのは、夕食のアラカルト懐石の選び方。
こちらは、アラカルト懐石のメニュー。

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手持ちの100pを使って、一人ずつ好きなものを選びます。
追加は1p=110円。
iPadで選んでいきます。

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これだけ種類があると、食材はどうしているのか?冷凍?とも思いましたが、
ちゃんと品切れがあるようです。
iPadで残数がリアルタイム表示。限定ものは、もともと在庫が少ないです。
メニューの指定は夕食時間の1時間前まで。

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応接。

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窓からは、鶴仙峡の終点、黒谷橋が眼前に。

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書院。

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冷蔵庫には、無料のミネラルウォーターが2本。

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坪庭横の流し台には、
コーヒーと加賀棒茶。

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浴衣は2枚用意。

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水回り。

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内風呂。

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お手洗。自動で開くタイプ。

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それでは、鍵を手に取り、

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雪駄を履いて、大浴場へ。

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花紫の大浴場は2つあります。2階大浴場と、最上階7階の展望露天風呂。
男女入れ替えは無しです。
7階展望露天風呂「ひらひら」。

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タオル、バスタオル完備。

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内風呂は、ひのき風呂。

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露天風呂は、天然石の岩風呂です。

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展望露天風呂からは、鶴仙峡の先にある山中温泉を望む景色です。

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2階大浴殿「春夏秋雪」。

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脱衣場。

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タオル、バスタオル完備。

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こちらは、内風呂のみです。

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洗い場。

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お風呂上がりには、2階の湯上りエリアで、15~18時の間、梅ゼリーのサービスがあります。
仲居さんが、梅ゼリーいかがですか、と声をかけてくれて、一つずつ作ってくれます。

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花紫特製の「爽(さやか)」。
梅味ゼリーではなく、種入りの梅がそのまま入っているゼリー。
氷をかけての提供です。けっこう美味しい。

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館内施設は、4階にショップ。
茶器などの工芸品が多いですが、

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梅ゼリーも売っていました。

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入り口の香は、白檀であったようです。

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隣には、ライブラリー。

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4階茶房では、カウンターでお茶が頂けます。

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種類が多くて、選ぶのも大変ですが、

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最初に、茶葉の見本で、それぞれのお茶の特徴を説明をしてくれます。

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抹茶を点ててもらいました。

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抹茶、落雁。
結構なお点前で。

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花紫は、山中温泉の中心からは少し離れていて、鶴仙峡を挟んで対岸側。
かよう亭、吉祥やまなかのお隣に位置します。
山中温泉の観光は、吉祥やまなかのブログを参照。

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黒谷橋から見る花紫は、昔ながらの中型高級旅館です。


さて、夕食の時間となりました。
夕食時間は、18時/18時半/19時からの選択。18時からにしました。
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夕食会場は、ステイダイニングにほん。

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スタイリッシュなダイニングです。

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部屋係の仲居さんの案内で席に進みます。

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ダイニングは、加賀水引の装飾や、

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越前和紙を使った間仕切り。

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本日の席はこちら。
ダイニングは10歳未満は利用不可ですが、客層は年配母娘を含む二世代連れが多い様子。
個室ではないので、少し騒がしいです。

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最初のセット。

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さて、花紫の代名詞、アラカルト懐石をどう選んだかと言うと、
初期設定である、料理長おすすめコース「朝顔」にしました。
結局、オススメがいちばんと期待して。
お品書き。

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前菜が届きました。

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前菜 本日の旬の物
冷やし玉〆
鮑 夏雲丹 マイクロトマト
焼き茄子 スナップエンドウ
無花果の胡麻味噌クリーム掛け

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鰻の八幡巻き 甘海老の塩煎り
玉蜀黍のかき揚げ 枝豆 衣被
温玉の味噌漬けの氷室

前菜なので、かき揚げも冷たいです。

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花紫のドリンクは、日本酒が中心。
花紫 ドリンクメニュー1/5

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花紫 ドリンクメニュー2/5

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花紫 ドリンクメニュー3/5
地酒の農口尚彦研究所も。

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花紫 ドリンクメニュー4/5

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花紫 ドリンクメニュー5/5

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利き酒 本日のおすすめ 4種 にしました。
花紫 羽根屋 黒帯 遊穂

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続いて、お椀が届きました。

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お椀 鱧の葛叩き
    冬瓜 そうめん瓜 つる菜
    長ひじき 梅肉 柚子

汁物、最初味が薄いかとおもいきや、飲み進めるとちょうど良くなってきました。

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続いて造り。

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造り 旬の沖の物2種盛り合わせ

甘海老、なめらでした。
なめらは、白身魚の舌触り。

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続いての器は、

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焚合 毛蟹の飛龍頭
    丸茄子 千石豆 青ゼンマイ

飛龍頭、がんもどきです。

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焼物 天然鱸の能登塩焼き
    茗荷 実山椒 蓼酢卸し

スズキは、皮はカリッと焼かれて、身はふわっと。

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続いて、酢物。
九谷焼とガラス工芸のコラボの器で。

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酢物 能登岩牡蠣のコンフィ
    加賀蓮根 加賀太丘陵 金時草
    トマト セロリ コリンキー

岩牡蠣がちょっぴり。

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強肴 能登牛の鉄鍋焼き仕立て
    ズッキーニ 万願寺唐辛子
    クレソン ペコロス

りんごとニンニクが入ったソース。少しパンチがありますと言いながらの提供。

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食べ応えのある肉肉しい牛肉。濃いめのソースがちょうど良かったです。

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食事が加賀棒茶といっしょに届きました。

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食事 石川特別栽培米こしひかり
    香の物盛り合わせ 赤出汁

香の物盛り合わせには、鰻の佃煮もいっしょに。

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ごはんは、おかわりもあるということで、
すすめられるまま、二杯目は、鰻の佃煮と加賀棒茶でお茶漬けにしました。

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水物 能登塩アイスとフルーツ
    能登大納言小豆
    石川アールスメロン
    金沢すいか ブルーベリー

花紫のアラカルト懐石。
約50種から選ぶとなると、目移りしてしまいます。
毛蟹や能登岩牡蠣、能登牛といったキャッチーな食材メニューを選んで期待してしまいますが、
出てくる料理にその食材はちょっぴり。調理名を見れば、少なくてしかるべきなのですが。
夕食は、選べない懐石料理で出てきた方が、勝手な想像もせず、満足度高かったかも。

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花紫に夜食処もありませんので、
部屋に戻り、そのまま布団に入ります。

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就寝。おやすみなさい。


翌朝。
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曇り空の鶴仙峡です。

朝食時間は、7時半/8時/8時半/9時からの選択。
8時半からは混雑することがあり、変更をお願いすることもあるのだとか。
この日は8時からにしました。
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朝食会場は、夕食と同じく、ステイダイニングにほん。
朝食のときのスタッフは洋装。

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最初のセット。
明るい感じの朝食です。

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温野菜の器には、水が投入されます。
下の石灰の袋から、蒸気が出てきて蒸しあげ。

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味噌汁、出汁巻きが届いて揃いました。

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お品書き。

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生搾りミックスジュース
りんご、バナナ、オレンジ、パイナップル、にんじん

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お重の上段は、干物。

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炭火の七輪を使って焼きます。

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能登珪藻土七輪でいただく干物
のどぐろ、ほたるいか、たたみいわし

北陸の名物、のどぐろ。朝食でいただけるとは。

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お重の下段は、
ごはんのお供
甘海老昆布〆、ちりめん山椒、海苔佃煮、季節のおひたし

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出汁巻きたまご
能登恵みの卵

出汁巻きはあたたかく。

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地物たっぷりの温野菜
加賀蓮根、五郎島金時、ブロッコリー、にんじん、
しいたけ、白山ハム、柚子胡麻ドレッシング、能登塩

ヒートパック蒸し上げ完了。温かいです。

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石川県産こしひかり

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あさりのお味噌汁

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お漬物
大根漬け、柴漬け、芥子小茄子、胡瓜の糖漬け、はちみつ梅

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花紫オリジナル加賀棒茶カヌレ

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おひつのごはんは、

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全部いただきました。

花紫の朝食は、その場で蒸しあげたり、焼いたり、あったかい料理。
炭火の七輪で焼くのも、動きがあって楽しかったです。

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帰りはフロントで、精算チェックアウト。
お見送りには、和装の女将さんがいました。

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のれんをくぐり、

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花紫の送迎で加賀温泉駅へ。

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加賀温泉駅からは、周遊バス「キャン・バス」の小松空港行きに乗り30分、

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小松空港からJAL便で東京への帰路につきました。

花紫
代名詞はアラカルト懐石。
昔ながらの中型高級旅館が変身中。2021年に女将から若社長に代替わり。
ロビーフロアやフロントスタッフは2022年の改修で、モダンな洋風に。
一方、客室や大浴場、部屋係の仲居さんは昔ながらの和旅館スタイル。
この不揃いさが、今後どう変わっていくかが楽しみです。

★「花紫」(北陸/山中温泉) ブログ
★「花紫」が好きなら、この旅館もおすすめ
 「望水」(伊豆/北川温泉)
 「おとぎの宿米屋」(東北/須賀川温泉)

花紫
料金・基本情報はこちら ▶ 花紫


旅館・ホテルランキング

加賀温泉郷、山代温泉の あらや滔々庵 に行ってきました。
あらや滔々庵_72
北大路魯山人ゆかり、山代温泉発祥の湯元として十八代続く老舗旅館。北陸でもトップクラスの超高級旅館です。

あらや滔々庵_2
羽田空港から飛行機1時間で小松空港へ。

あらや滔々庵_4
小松空港から、バス電車30分で、加賀温泉駅に到着。

あらや滔々庵_5
加賀温泉駅からは事前予約の送迎。
羽織のスタッフに迎えられて、黒塗りにあらや滔々庵のイラストが描かれた送迎車に乗り込みます。

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送迎10分で、あらや滔々庵に到着です。
風格のあるおもむき。
玄関前には、仲居さん数人が揃って頭を下げてお出迎え。
運転手からの誰々様ですという伝言とともに、仲居さんが一組ずつ先導していきます。

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玄関を入り、ここでも数人の仲居さんがずらっと三つ指をついてお出迎え。
靴を脱いで、畳敷きに上がります。

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山代温泉のシンボルマークにもなった魯山人の「暁烏の衝立」もお出迎え。

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ロビーの席に案内され、着席します。
ここでは手続きもなく、すぐに部屋に案内しますと、仲居さんに声かけされます。

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畳敷きの廊下を進み、

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畳敷き金箔壁紙のエレベーターで、

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6階へ。

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廊下をすすみ、

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本日の部屋、603有明。
和室12.5畳。

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踏込を入り、

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和室。
わぁ、と心が高揚する空間。なぜでしょう。
空気感と、暖色照明と、簀戸と、窓からの緑と。
木が隅々まで磨かれています。
数寄屋造りが好きなのかな。

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床の間側を向いて。

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チェックインは部屋にて。
宿帳に記入します。

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お着きの菓子は、
自家製のわらびもち。

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そして、音羽堂の加賀紫雲石。
見た目はきんつばのような、丹波の大納言を寒天で包んだ菓子すぁう。

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抹茶。
茶碗もおしゃれ。

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簀戸の先の広縁。窓からの景色は、敷地内の木々。
この簀戸を含めた空間が、絵画のようです。

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この広縁は、居心地がよい。
伝統的な和室間取りと、テーブルはモダンと。

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隣には、書院の空間。

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床の間には生け花と、器。
そして、照明はモダン。

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冷蔵庫は、空。

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加賀棒茶。茶さじには「荒屋」の文字。

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押入もちゃんと磨かれているんですよね。

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浴衣は押入に。2枚。

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水回り。

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バスタオルは、あらや滔々庵の刺繡入り。

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内風呂。檜です。

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お手洗。

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部屋の鍵はカードキーです。

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さて、大浴場に向かいます。

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あらや滔々庵の温泉は、大浴場2つ「原泉閣」「瑠璃光」と特別風呂「烏湯」の計3つあり、
夜9時と朝9時の2回男女入れ替えです。

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1階大浴場の入り口。

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こちらの作品も、魯山人。
楽閒(しずけさをたのしむ)

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あらや滔々庵の名物は、特別風呂 烏湯。

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脱衣場。

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タオル、バスタオル完備。

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ガラス戸の先には、

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烏湯は、瞑想の空間。
湯気をこもらせて、軽いスチームサウナのような空間です。

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熱め(40~42℃)の湯と、

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ぬるめ(36~38℃)の湯。

熱めとぬるめ、交互に入ることで、サウナと水風呂のような使い方です。

熱めの湯に温泉が落ちるちょろちょろという音だけが響く空間。
ぬるめの湯に入ると、ずっと寝湯をしていたくなります。

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大浴場 原泉閣。

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脱衣場。

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脱衣場。

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タオル、バスタオル完備。
タオルは巻いてあります。

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内風呂。
新しい設備でもないはずなのに、なぜか居心地がいい空間。
照明を含めて細部にわたり工夫があるのでしょう。
露天風呂より、内風呂にずっといたくなります。

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洗い場。

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露天風呂。

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湯上がりには、1階フロント横のドリンクコーナー。
ビール、シャンパン、水がフリーです。
一番乗りだったので、仲居さんにシャンパンの抜栓をしてもらいます。

このドリンクコーナーは、夕方まで。

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夜と翌朝まで置いているのは、2階コーヒーサービスです。
14:00~23:00、7:00~11:00での提供。

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一度、外にも出てみます。

入り口には、到着のお客様を待って、常に仲居さんが正座してスタンバイしていました。
その後方の陰から、仲居の頭が作法の指導。おもてなしの伝承をしっかりしている感があります。

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下駄を借りて。

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あらや滔々庵の立地は、山代温泉の中心、古総湯を正面にして建っています。
山代温泉の湯元であることを物語っています。

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玄関前には、羽織を着たスタッフが、ずっとお客様を待って立っています。
外との出入りのたびに、スタッフが出てきてお帰りなさいませと戸を開けてくれます。
スタッフ間もインカムでやり取りしていて、隙間のない接遇が提供されます。

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さきほど乗ってきた送迎車。2台あるようです。

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のれんがなびく玄関の前には、

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源泉 烏湯。

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源泉では、あすの朝食の温泉玉子が作られていました。

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売店は、外来でも入れるように道に面しています。

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九谷焼、山中塗りを中心に。

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ロビーには、書や器が置いてあり、

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こちらも魯山人の作品でした。

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帳場に掲げられているこちらの看板。

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あらやの看板も、魯山人です。

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館内には、3階に茶室ギャラリー作品展示室。

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小さな庭に面した茶室です。

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北大路魯山人の器や、

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北大路魯山人の書などが展示されています。


さて、夕食です。
あらや滔々庵の夕食時間は、18時、19時からの選択。18時にしました。
時間になったので、2階へ。
エレベーターを降りたところに、ずらっと7-8人の仲居さんが待ち構えていました。

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ワインセラーがずらっとある廊下を歩き、

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個室食事処へ。

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本日の席はこちら。

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一枚板のひのきのテーブル。いいですね。

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テーブルセット。
もう、この時点で期待感が高まります。

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お品書き。
箸は湿っている濡れ箸。懐石料理の作法です。

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最初の品が届きました。美しいです。

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食前酒 館主おすすめ 季節の地酒一献

石川県の酒、夢醸。氷室仕立て。
シャーベットになっていることで、日本酒度が際立ちます。

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先附 長芋おくら寄せ
    蛸湯引き 海老 順才

蛸の湯引きに、ボイルした海老。出汁で炊いたじゅんさい。
はい、ひと口目から美味しいです。

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あらや滔々案ドリンクメニュー1/10

あらや滔々案のドリンクメニューは豊富。
石川県の地酒が多いのはもちろんのこと、ワインが殊に豊富です。

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あらや滔々案ドリンクメニュー2/10
石川の地酒の数々。

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あらや滔々案ドリンクメニュー3/10
北陸の日本酒の数々。石川の農口尚彦研究所、福井の黒龍も。

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あらや滔々案ドリンクメニュー4/10

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あらや滔々案ドリンクメニュー5/10
ここから6ページにわたってボトルワイン。

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あらや滔々案ドリンクメニュー6/10

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あらや滔々案ドリンクメニュー7/10

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あらや滔々案ドリンクメニュー8/10

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あらや滔々案ドリンクメニュー9/10

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あらや滔々案ドリンクメニュー10/10

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お酒は、石川県の酒、手取川にしました。
九谷焼の色とりどりのおちょこを持ってきてくれて、選びます。

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仲居さんに注いでもらって、

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とっくりもおしゃれです。

あらや滔々庵_129
先八寸 加賀山海佳肴盛り

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鱧 枝豆 トマトソルベ

はもが美味しい。トマトと合うとは知りませんでした。

あらや滔々庵_132
とうもろこし すり流し

とうもろこしの粒は粗く、粒立つ飲み心地です。

あらや滔々庵_133
無花果 エンドウ 胡麻クリーム

いちじくは胡麻が合うんですね。

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コールドビーフ 針玉葱

牛肉はやわらかく味強いです。

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揚げ胡麻豆腐

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魳棒寿司

シャリのかたさは普通ですが、かますが舌でほどけます。

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続いてお椀がきました。
椀に霧吹き。つくりたてを示す会席料理の作法です。

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椀 鱧葛打ち 冬瓜
   おかひじき 輪切り柚子

味は慎ましやかなのに、どんどん飲みたい美味しいと感じる汁物。
鱧は、ふわっふわです。

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造り 橋立港におまかせ 純釜天然塩

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スズキの焼き霜、アカイカ、魯山人が好んだ食べ方:甘海老西京味噌漬け。
かわはぎの身と、肝の酒蒸し。ポン酢ゼリー、梅肉醤油。

甘海老は尻尾を取ってあり、細かい仕事しています。

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焼きもの 太刀魚塩やき
      五郎島金時 万願寺唐辛子

口に入れればうまい。太刀魚なのにふっくら。塩気強め。
ほおずきも中身を食べれます。

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スダチが転がらないように、皮に刃が入れられています。細かい仕事しています。

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強肴 鮑 帆立
    若芽 長芋

ソテーして、肝が入った玉味噌掛け。
あわびがめちゃくちゃやわらかい。こりこりとかじゃありません。
でも、ほたてと比べて身のしっかりさも感じます。

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続いての器は、

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炊き合わせ 丸茄子 加賀太胡瓜
       鴨つみれ 針生姜

冷製仕立て。茄子のオランダ煮。
素揚げした茄子を甘辛いタレにつける加賀の郷土料理です。

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食事 穴子とうもろこし炊き込み
汁 岩もずく赤味噌仕立て
香のもの

ごはんうま。とうもろこしいい感じ。白焼きの穴子は表面サクッと中ふわっと。

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おかわりもあるということで、もう一杯いただきました。

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最後にデザート。木の器がおしゃれです。

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水菓子 季節の果物と冷菓
自家製ブラマンジェ、金沢スイカ、メロン、抹茶のアイス、薄蜜のゼリー。

あらや滔々庵の夕食は大満足。
どれも美味しかったなあ。
ふわふわ、とろとろ。素材も調理も一流なのでしょう。

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山代温泉の夜の過ごし方は、特にありません。
門前の看板には明かりが灯されていました。

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部屋に戻り、そのまま布団に入ります。おやすみなさい。


翌朝。
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しとしと雨の朝です。
6階の廊下からは、山代温泉の中心の全景が見えます。

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部屋の外には、朝刊が届いていました。北陸中日新聞。

あらや滔々庵_164
大浴場は、夜通し入れるので、朝風呂へ向かいます。
夜9時に男女入れ替えとなり、瑠璃光。

あらや滔々庵_159
脱衣場。
タオル、バスタオル完備。

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内風呂。
こちら瑠璃光も、内風呂がすごく居心地がいい。
ずっとゆっくりとしていたくなる空間です。

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洗い場。

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露天風呂。

さて、朝食となります。
朝食時間は、8時、8時半、9時からの選択。8時にしました。
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朝食会場は、夕食と同じく2階個室食事処にて。

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最初のセット。

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ごはん、味噌汁、焼き物が届いて、そろいました。

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ほうれんそうとしめじ

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飛龍頭 がんもどき

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温泉玉子
入り口の源泉で作っていた温泉玉子です。

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しらすおろし、香の物。

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まぐろの漬け

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とうふとゆば。しょうがを効かせたあん。

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ごはん

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味噌汁
味噌汁は、橋立で揚がったあさり。

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焼き物 鯵の幽庵焼き。お隣山中で作っている南蛮味噌。
焼き物は、ほのかに温かいくらい。

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仲居さんが片付けにあたり、
マトリョーシカのように器を重ねていきます。
応量器といって、近くの永平寺でも使われるものなのだとか。

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デザート カットフルーツに平松牧場ヨーグルト。

朝食は、応量器ともあいまって、品のある見た目の食事。
夕食の絶品さと比べると、普通寄りの朝食です。

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チェックアウトは11時。ゆっくり滞在したのち。
精算はフロントにて。

エレベーターで1階に下りれば、仲居さんが待っていて、
ロビーの席に案内され、精算します。

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出発時間となり、仲居さんに荷物を持ってもらい、送迎車に。

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靴を用意されて。


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玄関前の送迎車へは、軒先から数歩ですが、仲居さん総出で番傘を差し出してご案内。
送迎は4組でしたが、1台に押し込まず、2台の送迎車での送りでした。

乗り込めば、ピシッと一列で頭を下げてお見送り。最後までさすがのもてなしでした。

あらや滔々庵
北陸でトップクラスの超高級旅館。
和のもてなしの洗練さと、空間の居心地の良さ。夕食は美味美食。
細部にわたって隙がありません。
また来たいと思わせる宿です。

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あらや滔々庵
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